今日聴いたもの

イノセント・カノン / 猪俣猛とサウンド・リミテッド
72年。水谷公生のギターがヘヴィーに荒れ狂うグルーヴィーなニューロック演奏に加納典明のよく分からない饒舌なトークが乗る"序"がめちゃくちゃスタイリッシュ。さらにダウナーな純和風ジャズロック"葬"、激アッパーなブレイク・ビーツ・ブラスロック"叛"と続く流れも、不気味なエコーがかかってたり意味不明なうわごとみたいだったりと加納典明トークもテンションを増してかなりのアシッド・ムードでイイ感じ。アルバム中盤以降はドラマの劇伴風の、時にイージーリスニング的なポップな演奏が続くけど、ムーディーでメロウなフレーズとフリーキーなトーンが入り混じりながら16ビートと4ビートを行き来する"寥"でまた不穏な展開に。KING RE-JAZZ SWINGという和ジャズ再発シリーズの1枚。
バンブー / 村岡実
有名尺八奏者の70年作。和楽器で構成されたニュー・ディメンション・グループを率いて独特のジャパネスク・ジャズロックを展開する前半、特にヒップなR&Bビートに優雅な純邦楽演奏を乗せた"最上川船唄"と"陰と陽"が、唯一無二のオブスキュア・レア・グル−ヴで最高。尺八の存在感も凄いけど、琵琶や琴がこんなにカッコイイ楽器だったのかと再発見。ザ・ニューエモーションズ名義でのアルバム後半は、"コール・ミー"や"サン・ホセへの道"といったヒットポップスのスピリチュアル・イージー・リスニングという感じのカヴァーやニューロックっぽいオリジナルなど、若干洋楽寄りの演奏。これもKING RE-JAZZ SWING再発シリーズ。