今日聴いたもの

スマッシュ・イン・ザ・ロック / 田畑貞一とグルーヴィ6
71年。ディスクユニオンのMR5000番台再発シリーズの1枚。ドラマー田畑貞一を中心に成毛滋や柳田ヒロといったメンツが参加したニューロック/ジャズロック・セッション。割とオーソドックスなブルース・ロック演奏にクラリネットが加わって独特な味わいの"トラブル"と"G.I.ブルー"の冒頭2曲も洒落てるけど、何といっても3曲目以降、凶暴な音色のファズ・ベースがうねり狂うヘヴィーなニューロック連発が強力。デトロイト・ガレージやジャーマン・サイケにも通じる覚醒感が気持ち良い爆走ヘヴィサイケの"スマッシュ"や"ヒズ・サラッド・ディス"をはじめ、GS的なR&Bインストであくまで重心低くグルーヴする"ムッシュ・K"(かまやつひろし作品)、ユルいんだけど妙にドスの効いたプレスリーの"ラブ・ミー・テンダー"など、キラーなトラックの数々にブッ飛ばされる。これまで少し苦手だった日本のゴリゴリしたニューロックを急にいろいろ聞いてみたい気分に。
バキシンバ−アフリカの想い出− / 石川晶とカウントバッファロー・ジャズ&ロック・バンド
70年。同じくMR5000番台再発シリーズ。メロウな中にフリーな気配を忍ばせたクロスオーヴァーにモーダル〜スピリチュアル系ジャズ・ロック。ミッキー吉野作のクールなラテン・ジャズ・ロック"砂嵐"、前田憲男作のメロウでブルージーソウル・ジャズ"フラミンゴ"、鈴木宏昌作の刑事ドラマ劇伴風の哀愁ハードボイルド・ジャズファンク"蜃気楼"など、バンド・メンバーらの手になるオリジナルはどれもイイ曲揃いで、キャッチーなテーマ部分から徐々にフリーキーになっていくアドリブ展開がカッコイイ。特にクールでスタイリッシュなアンサンブルをドラムが激しく煽る急速調モーダル"アフリカのシカ"から、そこはかとなくカンタベリーなアフリカン・ジャズロック"バキシンバ"に続く流れはリーダーが誰なのか思い知らされるさすがのリズムアレンジが最高。