今日聴いたもの

Oasis / Oasis
73年。サンフランシスコのマイナーなフォーキー・サイケバンドの唯一のアルバム。男女ツインヴォーカル・スタイルで歌われるちょっと英国トラッド・フォーキーな翳りのあるメロディーが印象的で、ウエストコースト・マナーの分厚いハーモニー、ちょっとクロスオーヴァーも入ってる凝ったアレンジなど、少し遅れてきたサイケではあるけど、その分時代性を反映したかなり洗練された音楽性。ファズギター入りのシスコ風ビート・サイケにトラッド・フォークのようにもGSのようにも聞こえる不思議にキャッチーなメロディーが乗る1曲目の"The Wake"がいきなり最高で、他に女声ハーモニーが素敵な洒脱なフィメールSSW風"Caught Away"、サビの転調にグッとくるドラマティックなハーモニー・ロック"Indeed Candide"、歯切れ良いギター・カッティングが格好良いクールなファンキー・ロック"We Are People"などイイ曲多数。全体にテレヴィジョンかガボール・サボかというような粘っこいギターがイイ感じ。Radioactive再発盤。
Musee de l'Impressionisme / Robert Callender
70年代初頭に発表されたサイケSSWの3rd。いきなり流れ出すゴスペル・テイストのサザン・ソウルに意表を突かれるけど、続く"Senses And Soul"以降のラテン・ソウル組曲がめちゃくちゃヒップで、甘くファンキーな女声コーラスにメロウなアレンジ、そしてアッパーなパーカッションに快適な疾走ビートと、かなりフリーソウル的。アルバム後半の"Edgar Degas"はニューソウル風メロウ・グルーヴを基調にしつつ突然シャンソンやミュージカル・バラード風になったり、かと思うとレゲエやビッグバンド・スウィングと化したりと相当分裂的な謎の展開。だけど要所要所でメロウな美メロでとろけさせてくれるというプログレ・サイケ・ソウル。能天気な"ハートに火をつけて"っていう感じのラテンロック"Paul Gauguin"が楽しい。FALLOUT再発盤。