今日聴いたもの

Tails of Illusion / Fox
ケニー・ヤングが70年代に組んでいたバンドの75年2nd。元Wooden Horseのヌーシャ・フォックスが独特のコケティッシュなウィスパリング・ヴォーカルで歌う無国籍感漂うモダンポップと、ケニー・ヤングやジム・ブラックといった男性陣がヴォーカルを取るハーモニー・フォークロックが半数ずつという構成で、どちらも屈折しつつ洗練された楽曲で魅力的。
ヌーシャの歌う曲では、プチ・プログレというかエキゾティック・ラテン・ポップというかなんとも不思議な"Yuli Yuli"、ほとんど90年代ギターポップのようなメロウ・ラテンフォーキー"Minor Therapy"やガムランっぽいイントロで始まるエキゾティック・フォーキー"Kupu Kupu"あたりのキラキラ具合にやられる。男性ヴォーカル曲も、ジョージ・ハリソンっぽいジェントル・フォークロック"Survival"、アシッド感漂うハーモニー・フォークロック"For Whatever It's Worth"、ハワイアンAORっぽくもある爽快フォーキー"Lily Sing"など甘酸っぱいイイ曲揃い。90年ごろに録音された曲がボーナス収録されてて、派手なサンプリングやらラガマフィンMCとかが入った、アッパーでダンサブルな打ち込みポップで全然音楽性が違うけど、これはこれで楽しい。Cherry Red再発盤。
Blue Hotel / Fox
77年3rd。こちらは全編ヌーシャがヴォーカルで、ちょっとファニーな70年代ガールポップ集という趣。全体にほのぼのとしたMOR調の曲が中心で、前作に比べるとユルい印象だけど、微妙に先の読めない凝った曲展開は相変わらず。飛びぬけてキャッチーなキューティー・ディスコ・ロックの"S S S Single Bed"と"My Old Man's Away"のほか、カリビアンなムードの"Livin' Out My Fantasies"や浮遊感のあるオールディーズ風ポップ"Dejenina"なんかも結構イイ感じ。ボーナストラックはやはりラガマフィンMC入りのファットな打ち込みモノ。こちらもCherry Red再発盤。なんだけど何故か盤起こしなのが残念。