今日聴いたもの

Holy Mackerel / Holy Mackerel
68年。ポール・ウィリアムスが在籍したグループの唯一作のCollectors' Choice Music再発。あの独特の歌声をリードに据えて、なかなか立体的なコーラスを聞かせるフォーキー・ハーモニー・サイケで、おそらくこのアルバムの目玉のロジャー・ニコルスとの共作"Bitter Honey"はSSW的な色彩が強くてアルバム中ではちょっと浮いてるかも。歌謡曲っぽいマイナー・メロディーの哀愁サイケの"Scorpio Red"に"Nothin' Short of Misery"、シタールやタブラ入りのエキゾティック浮遊サイケ"Wildflowers"、ブルージーなロッカバラード風のグルーミー・ポップ"10,000 Men"あたりが特にお気に入りだけど、ほかにも陽性カントリーロックやハープシコードを演奏をバックにした朗読など、才気に満ちた多彩な内容。
Farewell Aldebaran / Judy Henske & Jerry Yester
69年。冒頭、シャッフル・ビートのブルージー・サイケ"Snowblind"でのJudy Henskeのシャウトがいきなり強烈。続くちょっと英国っぽいヒッピー・サイケ"Horses On A Stick"のキャッチーなメロディー展開にグッときてると、チェンバロ聖歌隊コーラスをバックにダウナーに歌い上げる敬虔な雰囲気の曲が続いて、かと思うと狂騒的なアシッドフォークなんかも登場して、どうにも一筋縄ではいかない展開。メロウなジャジー・ピアノ・バラード"One More Time"やグルーミー・ハーモニー・ポップ"Charity"といった美メロ曲にウットリして、つい油断してると、最後はムーグシンセ入りのドラマティックなフリークアウト・ロック"Farewell Aldebaran"でトバされる。Radioactive再発。
Sound Factory / Sound Factory
70年。Shadoks Musicから再発されたブラジリアン・ガレージ・サイケ。素っ頓狂なハイトーン・コーラスが完全にイッてしまっているシタール入りオルガン・サイケ"Restless Time"が狂ってて最高。収録曲の大半は英米バンドのカヴァーで、トラフィックブラインド・フェイスなんかを神妙に演ってたりもするけど、チープな疾走ガレージ・ビートでロバート・ジョンソンをカヴァーする"Crossroads"や、バイオレントなR&Bビート"Wasted Union Blues"、"Restless Time"で異様なバックコーラスを聞かせてたと思しき男が異様な無調ヴォーカルで迫る"Let's Go"といった、メタリックなファズ・ギターが唸りまくるドタバタしたヘヴィ・サイケがこのバンドの身上。音が外れて声が裏返るいっぱいいっぱいの歌声が泣かせる。ラストはなぜか流麗なピアノ・インストだったり。