今日聴いたもの

蛇行都市 / 鷹魚剛
しゃがれ声のガナリ系ヴォーカルが独特なSSWの75年1st。水谷公生らによるニューロック寄りブルースロック演奏をバックに、男泣きロックにアシッド・フォークが混じったような、ダウナーでどこか下世話な楽曲を聞かせる1枚。武川雅寛の不協和音ヴァイオリンで幕を開ける切迫感に満ちたファンキーなブルース・ロック"日暮しの啼く朝"、ヘヴィーなニューロック歌謡"あんたが欲しい"、ダウン・バイ・ザ・リヴァー系のダウナー・フォーク・ロック"Nobody"、寂寥感に満ちたジャパネスク・アシッド・フォーク"おぼろ街叙景"といった曲が印象的。ただ、全体にサイケでブルージーなギターが格好良くて、ついそっちに耳が行ってしまう。
青い風の地平へ / 鷹魚剛
78年2nd。こちらはギターに石間秀樹が参加。バンカラ・フォークっぽい"空白の日々"に"風船虫"、夜のネオンが似合いそうな歌謡ニュー・ロックの"盲鳩の夜"に"遥かなる南方の記憶"と、現代詩っぽい歌詞は相変わらずだけど楽曲は前作以上にドメスティックな方向に触れた感じ。と思ってたら、アングラ芝居と現代音楽、クロスオーヴァー、哀愁プログレ歌謡が交錯する16分近い大作"巨人の待つ国へ"という強烈な曲が。ボーナストラックの、バンドネオンがむせび泣くやさぐれ歌謡"溜り場"が泣ける。以上2枚、どちらもハガクレの紙ジャケ再発だけど、近々廉価版で再々発されるみたい。