今日聴いたもの

Hip Elegy / Joachim Kuhn
ドイツ人ジャズ・ピアニストのMPSから出た75年リーダー作。とりあえず、1曲目のクロスオーヴァー・ファンク"Seven Sacred Pools"、カッチリとしたアンサンブルをかき乱す日野皓正のフリーキーなトランペットが最高。終盤のフィードバック・ノイズみたいなトーンとか強烈。
2曲目以降はキューンのピアノがリリカルに鳴り響く、メロドラマティックでちょっとニューエイジプログレ系ジャズ・ロックが中心で、悪くはないけどちょっとダレるっていうのが正直なところ。だけど、ラストの"First Frisco"がこれまたカッコイイ疾走ジャズ・ロックで、ユニゾンで全員一丸となって突進するテーマにヤラれる。とにかく全編に渡って日野皓正のトランペットの存在感が際立つ1枚。
United Africa / Cedric Im Brooks
ナイヤビンギ系サックス・プレイヤーの78年作。ビッグバンド・ジャズでアフリカン、おまけにファンクやカリビアンでもあるという、クロスオーヴァーなレゲエ盤。
冒頭、ダウナーなホーンがスピリチュアルなビッグバンド・ジャズ・レゲエ"Satta-Masa-Ganna"から一転、軽快にスウィングするカリビアン・レゲエ"United Africa"に続く展開からもうインパクト大。それでいて決して奇を衒ってる感じはなくて、どの曲も思わず体が動くグルーヴが気持ちイイ。ファンクともレゲエともつかない独特のギター・カッティングが最高なジャズ・ファンク・レゲエ"Slient Force"やディープなエキゾティックなビッグバンド・ジャズ・ロック"Praises"あたりもお気に入り。
Vistamix / Bill Nelson
83年のミニ・アルバム「Chimera」収録曲にボーナス曲を追加した84年の編集盤。後期ロキシー・ミュージック〜ブライアン・フェリー系な、ロマンティークでダンサブルなエレポップ。ほとんど曲で高橋幸宏がドラムを叩いてるんだけど、なるほどリズムがとても中期YMOっぽい。
オリエンタルなシンセをフィーチャーした"Acceleration"や"Empire of the Senses"とかはイイ感じの曲もあるものの、どの曲もアレンジは格好良いんだけど今ひとつフックの効いた歌メロが少なくて、つい聞き流してしまう感じ。それに、どちらかというとグラムなブギー・ロックンロール"Do You Dream I Colour? "やペナペナ・シンセ入りのNWロックンロール"Kind of Loving"といったボーナス曲で聞けるモダンポップ風味の方が似合ってる気が。