今日聴いたもの

ラジオ クラブ / 本多俊之
87年。ブラコン・ファンク的なエッジの効いたリズムのスウィング・ジャズを中心に、レゲエ、ブルース、ハードロックなどを取り込んだフュージョン演奏に、ほぼ全曲に小川美潮の飄々としたヴォーカルやスキャットが乗る歌モノアルバムで、あのサックスのフレーズをスキャットで代用した"マルサの女"も収録。冒頭のサバンナ・バンド風ノスタルジック・ディスコの"MOONLIGHT DANCE"をはじめ、ラテンなビッグバンドスウィング"BLACK EYE"、ミステリアスなパートと晴れやかなポップ・メロディーが交錯する"TIME BEYOND THE DOOR"、スウィング・ジャズ+ファンクな演奏がサビでオリエンタルなエレポップ歌謡になる"MY BOY "など、面白くて魅力的な「うた」が多い1枚。
ハイフォニックス・ハイフォニックス / ハイフォニック Big 15
79年。「日立ミュージック・イン・ハイフォニック」という番組の企画による、当時の人気スタジオ・ミュージシャン勢ぞろいの豪華なビッグバンド・オーケストラ・アルバム。メロウなディスコ・アレンジの"抱きしめたい"ではじまり、めくるめく多彩なアレンジで展開するクロスオーヴァーイージーリスニングなポップス・メドレー"ベスト・ヒット15 ハイフォニック BIG15"も楽しいけど、何といっても聞きものは後半のオリジナル小品集。細野晴臣作のメロウなエキゾティック・クロスオーヴァー"Jamaica Ginger"はもちろんのこと、鈴木宏昌作の70年代刑事ドラマ劇伴風の哀愁ファンク"First Flash"、後のシャカタクとかに通じる坂本龍一作の流麗クリスタル・フュージョン"Dragoon"、佐藤奈々子のコケティッシュスキャットとタイム・ファイヴのコーラスの共演が聞ける大野雄二作のスウィング・コーラス・チューン"Littl' Duckling"と、全体に薄味とはいえハイクオリティな軽音楽で心地イイ。