今日聴いたもの

Fragile / Friends
72年に録音されて未発売に終わったらしいアルバムのACME再発盤。フェミニンなナヨ声男性ヴォーカルを中心に時々女性ヴォーカルが加わる、ソフトロック・テイストのジェントルなハーモニー・フォークで、初期バーズ風のフォーク・ロックだったり英国木漏れ日フォークみたいだったり、ときにはファズがうなるサイケ・ビート風も、と結構バラエティに飛んだ内容。甘酸っぱく切ないメロディーにヤラれる青春ラテン・フォーキー"Take A Walk"が何といっても最高で、これはほとんどネオアコみたい。ネオアコといばアップテンポのバーズ風フォークロック"You Need Friends"の間奏もそんな雰囲気が。グルーヴするベースが気持ち良い爽快ファンキー・サイケ"Memories"、男女混声ハーモニーがすがすがしいソフトロック"Come Inside"、思わせるミスティ・ムードの爪弾きフィメール・フォーク"Once In A Winter Town"なんかもお気に入り。
Straight or Lame / The Daisy Chain
LAの女性4人組バンドの67年作。60年代のガール・ポップとガレージ・サイケの出会いっていう感じ。バカラッキシュなメロディーを切迫感のある少女ヴォーカルで聞かせる"I'll Come Runnin'"でいきなりクラッときて、"All Because of Him"、"Zzotto"、"Run Spot Run"と続く、儚いヴォーカルとコーラスがたまらなくグルーミーなメロウ・サイケ3連発で完全にノックアウト。と、ここまでの流れが素晴らしすぎて、5曲目以降がちょっと霞んでしまうところもあるけど、それでも60'sガールグループ流儀な歌とコーラスに、チープなオルガンやファズ、フルートなどが絡むガーリー・サイケ満載で、通して楽しめる1枚。Sundazed再発盤。
Es Largo El Camino / Ana Y Jaime
15歳と17歳の兄妹が歌う、たぶん60年代後半のレコードの再発盤。コロンビア産らしいけど、カンツォーネシャンソンっぽいメロディーのマイナー歌謡が中心で、そのバックでガレージっぽいチープなオルガンやファズギターが鳴ってる、言うなればユーロヴィジョン・サイケ歌謡集。オルガンのキュートなフレーズが印象的な軽グルーヴ歌謡の"Cafe Y Petroleo"に"Dispersos"、サイケなビート・ナンバー"Es Largo El Camino"、イントロの激しいドラムにシビれるアグレッシヴなサイケ・グルーヴ歌謡"Nina Nana"とか、とにかく切なくてカッコイイ。思わず夕陽に向かって駆け出したくなるような熱い展開を見せる青春ドラマティック歌謡"Este Viento"や、ちょっとトロピカリアな香りもするラテンなヤング歌謡"A Las Seis (Cuantos Momentos) "とかも、凝ったアレンジがちょっと珍奇さを感じさせるけど、すごくイイ曲。