今日聴いたもの

Collaboration / Shawn Phillips
「Second Contribution」の独特なアルバム・ジャケでおなじみの英国SSWの71年作。静と動を極端に行き来しつつ、ほぼノンストップで進行するドラマティックなプログレシッヴ・フォーク・アルバムで、スパニッシュなアコギの激しいカッティングから一転、ダウナーな爪弾きフォークが始まり、唐突にシンフォニックに盛り上がる1曲目"Us We Are"から独自の個性が全開。曲調の変化に合わせて変幻自在に唱法を変える特異なヴォーカル・スタイルはかなりアクが強くて、以前「Second Contribution」を聞いたときは、盛り上がりすぎる曲調とかちょっとダメだったんだけど、このアルバムはあまり抵抗なく聞けた。何より英国フォークならではの翳りのあるメロディーが魅力的。
お気に入りはジャカ弾きフォークにファンキーなリズムやメロウなエレピが絡むグルーヴィー・アシッドフォーク"Moonshine"、ポップなんだか重厚なんだかよく分からない不思議な曲調のジャズロック・フォーク"Spaceman"など。ほとんどコラージュのように捉えどころのない展開を見せるラストの"Springwind"もヤバイ感じ。
Do You Wonder / Shawn Phillips
75年。切れの良いホーンや女性コーラスをフィーチャーしたディスコ・ダンサー"Do You Wonder"をはじめとした冒頭のファンキーロック連発や、小粋なスウィング・フォーク"Blunt and Frank"にジェントルなメロウ・フォーキー"Golden Flower"など、かなりポップ側に振れたアルバムという印象。上のアルバムとのギャップがすごいけど、これはこれでかなり好きな感じ。組曲形式のクラシカル・ロック"As All I Played"以降、アルバム後半は「らしい」ドラマティック曲が中心で、変拍子のチェンバー・フォークロック"Looking at the Angel"から霧の立ち込めるような神秘フォーク"Summer Vignette"に続く終盤がこれまた最高。これはナイスな1枚。
Transcendence / Shawn Phillips
78年。流麗オーケストラ入りのメロウなフォーキーMOR"Take It Easy"で幕を開けたと思うと、ファンキーなハードロックに軽快なカントリー・フォークロック、ミナスっぽいニューエイジプログレなど、いろんな曲が入り乱れてるけど、全体的にはやや薄味になったかも。ファンキーなフォークロックに重厚なシンフォ演奏が絡む"Julia's Letters"の異様さが際立ってる感じ。あとは爪弾きフォークとドラマティック・シンフォを交互に繰り返す"Lady in Violet"も初期の路線に近い面白い曲。以上3枚すべてWounded Bird再発盤。