今日聴いたもの

Rubber Folk / V.A.
06年。英国のフォーク系歌手が「Rubber Soul」の曲をカヴァーするというBBCビートルズ・トリビュート番組を音盤化したものなんだそう。1曲目の"Drive My Car / Jim Moray"はグルーヴィーなピアノ・ロックンロールだけど、あとは基本的にフォークの範疇のアレンジのものが中心。ツイン・スライド・ギターによる浮遊感のあるアンサンブルが格好良いアコースティック・ブルース"The Word / Johnny Dickinson"、微妙にオリジナルと違うサビのメロディーがめちゃくちゃ良いミュゼット・フォーク"Michelle / Ralph McTell"、男女デュオ・スタイルで聞かせるドリーミーなジェントル・フォーク"What Goes On / Boo Hewerdine & Eddi Reader"、足音に合わせて呟くように歌うオープニングや雨音バックにした口笛にグッとくる物寂しいウクレレ・フォーク"Girl / John Tams"、オルゴールのようなピアノ伴奏とキュートな歌声がとってもフェアリーな静謐フィメール・フォーク"Wait / Cara Dillon & Sam Lakeman"など、さりげなく意外性のあるアレンジで原曲の隠れた魅力に気づかせてくれる好カヴァーが多い1枚。
Springwater / Springwater
フィル・コーデルという英国人アーティストによるSpringwater名義の71年作と77年の「Born Again」をカップリングしたAngel Air再発盤。「Springwater」は、冒頭に収録されてる甘酸っぱいファズギターをフィーチャーした哀愁インスト"I Will Return"のヒットを受けて製作されたものらしく、全編似たような感じのインスト曲が並んでて、ゆったりテンポのまったりしたバンド演奏を高音圧な金属的ファズ・ギターが切り裂く、パワーポップイージーリスニング集という趣。さすがに通して聞いてるとダレてくるけど、マージー・ビートっぽい美メロなフォーキー・パワーポップ"Like Alice"、アルバム中でも随一の凶暴な音色でファズ・ギターが哀愁メロディーを奏でるトラッドのカヴァー"Jerusalem"、逆回転っぽいグルグルしたギターがこれまた切ないメロディーを聞かせる"Listen Everybody"とか、なかなかオリジナリティーに満ちた音楽性。
爽快なソウル風AORポップ"Doin' The Best I Can"で幕を開ける「Born Again」の方は全編歌モノで、優しいヴォーカルにゴージャズなハーモニー、フックの効いた切なくキャッチーなメロディー、そして甘酸っぱいファズ・ギター(笑)に胸をかきむしられるMORポップスが満載。ほんのり漂うパイロットやバッドフィンガー系の英国ポップ・フレイヴァーもイイ感じ。オリエンタルなメロディーのソフト&メロウ・パワーポップ"Beautiful Baby"、ギターの音色がエレキシタールみたいでメロウ・ソウルフルな"Cheatin' In The Dark"、サビのメロディーが涙腺直撃なピアノ・バラード"Return Ticket"、得意のファズ・ギターが炸裂のグルーミー・ポップ"God Bless You"あたりが、かなりお気に入り。