今日聴いたもの

Let No Man Steal Your Thyme - Anthology / Shelagh McDonald
70年の1st「Album」と71年の2nd「Stargazer」にボーナストラックを追加した、実はこれも積読状態だったSANCTUARYの2枚組編集盤。セレクト合戦でショック太郎さんが選曲されていた"Odyssey"が、自分がリチャード・トンプソンに期待する理想のギター・プレイが全面展開されてる名曲だったんで、ホント聴いてなかったのを後悔。
disc1収録の1stは、ヴァイブが格好良いアシッド・ロック"Mirage"、スペイシーなカントリー・フォーク・ロック"Look Over The Hills And Far Away"、歯切れ良いアコギに流麗ピアノが絡むクールなフォーク・ロック"Waiting For The Wind To Rise"など、バンド編成の曲での、いかにも英国フォークっぽい清楚で上品なソプラノ・ヴォーカルと、マイティ・ベイビーのメンバーらによる、ゆったりしたアシッド・ロック・グルーヴとの組み合わせが面白い。静謐な弾き語り路線も悪くないけど、ボーナストラックのビート・サイケ曲"Jesus Is Just All Right"みたいな曲にどうしても惹かれてしまう(笑)
disc2収録の2ndは、音楽性が二極に分かれてた印象の前作に比べると、バンド編成の曲も割とおだやかで、全体に統一感のある印象。アコギ弾き語りフォーク"Liz's Song"でのアクセント的に曲を引き立てるウッドベースやコーラス、"Baby Go Slow"の不思議なリズム・チェンジ、清涼なオルガン入りフォークロック"Good Times"のサックスなど、派手ではないけどさりげなく凝ったアレンジが洒落てる佳曲揃い。だけど、なんと言っても、流麗ピアノとアコギのアルペジオが織り成す優雅なアンサンブルにフリーキーなトーンのリチャード・トンプソンのギターが切り込む"Odyssey"が図抜けてキラー。幻の3rd用音源を含むボーナストラックを聞くと、よりキャッチーなSSW路線を模索してる感じも。