今日聴いたもの

Idlewild / Outkast
新作。シングル曲"Mighty O"が割と普通のヒップホップに聞こえて、あまりピンと来なかったんだけど、アルバムは相変わらず多彩でユニークなトラック満載で最高。"Mighty O"も聞けば聞くほど面白い音作りでジワジワと好きになってきた。他にメロウなハーモニー・ソウルの"Peaches"や"N2U"など王道なヒップホップ/R&Bナンバーはもちろん充実してるけど、今作は特にブルースやラグタイム、ジャズなどのルーツ音楽を取り入れた曲が目立つ感じ。ただ、フォーキーなブルース・ロック風の"Idlewild Blue (Don't Chu Worry 'Bout Me)"、機械仕掛けのヴォードヴィルという趣の"Call the Law"、クールでフリーキーなピアノが格好良い急速調4ビートR&B"Makes No Sense at All"、ビッグバンド・スウィング調の"PJ & Rooster"など、ただ古い音源をサンプリングしてファンキーなトラックに乗っけてるって言うんじゃなくて、リズムも含めてそういった音楽をまっこうから吸収しつつヒップホップに換骨奪胎してるのが面白くてスゴイ。個人的には"Morris Brown"や"Life Is Like a Musical"みたいな甘酸っぱいポップソングが聞けるとうれしくてたまらないんだけど、さらに60年代サイケなムードの"Train"、ドタバタしたブレイクビーツが格好良いプログレ・ソウル"Greatest Show on Earth"、エクスペリメンタルな長尺ジャズ・ロック"Bad Note"みたいな曲なんかもあって飽きさせない。
Salsa Y Control / Lebron Brothers
最近ドカッと出たファニア再〃発シリーズの1枚。70年。ラテンなジャクソン5とかサイケなラテン・ソウルといった謳い文句でタワー・レコードがプッシュしてたんで買ってみたけど、流れ出してきたのは、昔いくつかのブガルー系コンピで聞いた印象そのままの、サルサっぽいホーンが入ったラテン歌謡。サイケなソウル路線は裏ジャケに載ってる60年代後半の他のアルバムで聞けるのかな。でもまあ、そういう音楽だと思って聞きなおせば、動き回るベースが格好良い哀愁ラテン歌謡"Tu Llegaste a Mi Vida"とか、ホーンのフレーズが切ない"Regresa a Mi"やエキゾティックな"Estoy Loco"といったムード歌謡路線、クールなピアノ伴奏がイカす"Que Pana"やヤクザなインスト"Sabor Tipico"などのブガルー物とか、悪くはないんだけど。