今日聴いたもの

VIVA! 6×7 / 松任谷由美
04年。ゲスト・ヴォーカルに田島貴男を迎えて、かつてのオリジナル・ラヴを思わせるファンキーなポップ・ソングを聞かせる"太陽の逃亡者"、A&M風のホーン入りの疾走4ビートAOR"恋の苦さとため息と"(リズム・チェンジもカッコイイ)の冒頭2曲が鮮烈。そのせいか、4曲目以降は若干地味に聞こえるけど、どの曲もキャッチーなフックで耳を惹かれる曲が揃ってて、やたらと壮大な曲や下世話な歌謡路線がないのも好印象。久々にユーミンのアルバムでイイ曲ばっかりと思ったかも。80年前後のユーミン的世界が全開な"Choco-language"や"永遠が見える日"とかかなり甘酸っぱい気持ちに。珍しくブルージーでフォーキーな"Summertime"もカッコイイし、ラストのバラード"霧の中の影"は結構感動的。
TOK10 / TOKIO
04年。小西康陽曽我部恵一、テイトウワ、スケッチ・ショウといったサブカルな人たちから、高見沢俊彦TOTOなど幅広くプロデューサーを迎えて制作された歴代ジャニーズ・ヒット曲のカヴァー企画盤。何といっても凄いのが曽我部恵一が手がけた2曲で、ハードロックをベースにロシア民謡風やディスコ・パンク、4ビートと目まぐるしく雰囲気の変わる濃密ブレイクビーツの"ブルドッグ"に、原曲のイメージとギャップがありすぎる寂寥フォーク・アレンジの"100%・・・SOかもね!"と、どちらもかなり強烈。ダイナミックな展開のオリジナルをクールなディスコ・パンク化したテイトウワの"抱きしめてTonight"、典型的なレディメイド・スタイルが男性ヴォーカルだと意外に新鮮に聞こえる小西康陽の"パラダイス銀河"、同じく小西康陽による"涙くんさよなら"のハイテンションなビッグバンド・ミュージカル風カヴァー、ヒプノティックな覚醒ロックっぽいエイドリアン・ブリューの"気まぐれOne Way Boy"あたりもかなり面白い。スケッチ・ショウによるブラコン・エレクトロニカな"フラワー"はオリジナルがそんなに好きじゃないせいか、ちょっと印象が薄かった。
惜春 譜 / 山口百恵
94年。リアレンジ・ベスト・シリーズの1枚で、これはニューミュージック系ライターが提供したアルバム曲を中心とした隠れ名曲編。シングル曲のようなあざとい仕掛けはないものの、選び抜かれただけあってさすがにイイ曲が多い。けど、アルバム全体にフィーチャーされてる80年代後半から90年代初めならではの、ツルツルしたシンセの音がどうにも邪魔な感じで、大瀧詠一らしいアレンジの片鱗が垣間見えるロッカバラード"哀愁のコニーアイランド"や歌詞が面白いシャッフルビートのオリエンタル・ロック歌謡"惜春通り"、グラマラスなロックンロール歌謡"BLACK CAB(ロンドン・タクシー)"なんかはオリジナルを聴いてみたい。
POP CORN / S.O.S.
韓国の女の子3人組。オールディーズのカヴァーとオリジナルで構成された94年のアルバム。基本的にダンスポップ寄りのアレンジで、安っぽい音色のお手軽打ち込みサウンドが悲しくなってくるんだけど、フランス・ギャルを思わせる突き抜けたキューティー・ヴォイスと甘いコーラスはかなり最高。特に比較的オリジナルに忠実なアレンジの"BE MY BABY"ではその声とハーモニーの魅力が爆発。キラキラした鐘の音入りの"DANCING SNOWMAN"や80年代アイドルポップを思わせるキャッチーなメロディーの"HAPPY SATURDAY"といったオリジナル曲もイイ感じ。