今日聴いたもの

ゴールデン・ベスト / シネマ
81年の「モーション・ピクチャー」にシングル曲、そして大量の未発表曲を追加したデラックス・エディション再発。英国モダン・ポップに下世話さギリギリ歌謡テイストを加えた感じの音楽性は久々に聞いてもやっぱり相当ユニーク。勢いのあるボードヴィル調ポップ"スイッチ・オン"(ギター・ソロと女声コーラスの絡みが最高)、70年代ブリティッシュ臭プンプンな"クリームソーダ・ベイビー"、甘酸っぱい歌謡ロック"HOTEL"は、かつて何度聞いたか分からないけど、今でもやっぱりこの3曲がベストトラック。Disc2収録の未発表デモは、Disc1に比べるとシンセの音色とかかなりチープで、鈴木さえ子のコーラスもほとんど聴けないんだけど、どの曲もさすがのメロディー・メイカーぶりで、特にデビュー前の音源は荒削りながらも才気がキラリと光る凝った佳曲揃い。泣かせるメロディのメロウ・ポップ"キャッシュ・ガール"やジャジーでちょっとレゲエっぽい"ピアノ・マン"、マイナー調のマッカートニー系ポップ"モノクロ・ポートレイト"など、中盤に並ぶ内省的なプログレSSW風の曲に特に惹かれる。松尾清憲の全キャリアを通じても異色なオールディーズ歌謡"ポニーテールのお嬢さん"もイイ曲。"China Town"はシングル・ヴァージョンより好きかも。