今日聴いたもの

マリ・ファースト / 金子マリ
83年。「下北のジャニス」というキャッチフレーズで敬遠してた人だけど、確かにかなりソウルフルなヴォーカル・スタイルを聞かせるものの、ゴリゴリのソウル/リズム&ブルース一辺倒ではなくて、結構キャッチーなフックを持ったポップな曲が多くて、ちょっと山下久美子を連想したりした。キラキラした産業AOR"ネオン・サイン・ストリート・ジャイヴ"やエレポップ・ディスコ風の"ゲット・トゥ・パラダイス"、抑制の効いたメロディーのメロウなAORバラード"ハニー"、意外にハマってるユーミン・カヴァー"DANG DANG"など。ジョニー、ルイス&チャーが全面的にバックアップしてて、時代柄か産業系ハードロック色の強い演奏が繰り広げられる曲が多い。
ささやかな欲望 / 山口百恵
75年。サビの盛り上がりが気持ちイイ名曲"ささやかな欲望"、アップテンポのブラスロック歌謡"夏ひらく青春"といったシングル曲を看板に、フォーク寄りマイナー歌謡を中心に構成されたオリジナル・アルバム。大半が都倉俊一作品で、歌詞はすべて千家和也が手がけているんだけど、70年代の学園映画で関根恵子が演じる女生徒に通じるような真面目でコワイ女の子像はいかにもという感じで、翳りがあって芯の強い歌唱がさらにその雰囲気を増幅。上記シングル曲以外では、"愛がひとつあれば"や"少女の誇り"といったお馴染みの疾走性典モノやラテン・ロックなマイナー・エレキ歌謡"燃える海"あたりがお気に入り。