今日聴いたもの

Holding On / Carl & Joanne Barry
82年。ギター、ベース、ドラムのアコースティックなジャズ・トリオ編成でクロスオーヴァーな演奏を聞かせる女性ヴォーカル盤。ソフトで透明感のある声質と、とにかくギターの一貫してメロウなトーンが気持ちイイ1枚で、なんといっても静謐な疾走感がクールなブラジリアン・フュージョンの"Afternoon"と"Circles"、一人対位法なヴォーカル・アレンジが面白いメロウ・ボッサ"Holding On"が魅力的。P-Vine再発盤。
Ju Ju Man / Gary Bartz
76年Catalyst盤のP-Vineによる再発。冒頭、ヴォーカルとサックスでコルトレーンの"至上の愛"テーマをユニゾンした後、おもむろにスピリチュアルで激しい演奏を繰り広げるタイトル曲がカッコイイ。続く、シリータがキュートなヴォーカルを聞かせるアープ・シンセ入りスロー・バラード"My Funny Valentine"も凄く浸れる名演。あとの3曲はこの時代にしてはかなりストレートなジャズ演奏で、上記2曲に比べると印象がちょっと薄い感じ。
ロックエイジの惑星たち / Various Artists
71年発売のオリジナル・ニューロック・オムニバスの再発盤。稲垣次郎、猪俣猛、石川晶といったジャズメンと柳田ヒロと水谷公生の元GS組がそれぞれ2曲ずつ参加してて、全体的にファズ・ギターとブラスロックっぽいホーンが目立つグルーヴィーな内容。
サミーの特異なハイトーン・ヴォイスがインパクト大な稲垣次郎とソウル・メディアによるR&B歌謡"女の家"と"都会の情景"、ビートルズのポップナンバーをヘヴィー・サイケ解釈で聞かせる水谷公生とベターの"アイ・ウォンナ・ビー・ユア・マン"、リリカルなピアノとファズの絡みが独特な、猪俣猛とサウンド・リミテットの"スィート・ドウター"、といった具合に各人が印象的な録音を残している好盤。ベストトラックは柳田ヒロとそのグループによる、MAOをフィーチャーしたやたらと物寂しいソフトロック歌謡"幸せにならないで"。