今日聴いたもの

新・曾根崎心中 / 花柳幻舟
75年作品のブリッジの「男たちよ!」シリーズ再発盤。花柳幻舟と阿部みちおの会話やモノローグをメインに進行するラジオ・ドラマ風の作りで、9才年下の若い男の自己陶酔に引きずられて一緒に心中してしまう愚かな女の物語。と思わせて最後に意外なオチがついてる。古めかしいストーリーと、ミッキー吉野の手になるニューロッククロスオーヴァーな劇伴とのギャップが独特な雰囲気を醸し出してて、なんかATG映画みたいな印象も。「最後の情交」場面で流れるあえぎ声入りアブストラクト・ファンク"燃焼そして昇華"がベストトラック。
日本映画主題歌1 戦前編1923-32
昭和初期の映画の主題歌がいろいろ。普段聞いてるポップスとあまりにかけ離れたオールドスクールなメロディの連続に最初は戸惑ったけど、歌詞の面白さに惹かれて何回か聞いてるうちにすごくモダンな音楽にも聞こえてきた。お座敷唄風の風のメロディに乗って「エロと涙は女の武器よ」とか「ジャズる」「恋のドライブ」なんてフレーズが飛び出す"チャッカリしてるわね / 天野喜久代"とか和洋折衷なセンスが炸裂してるマーチ歌謡"尖端的だわね / 曾我直子"が最高。"佳人よ何処へ"で聞ける淡谷のり子の声が若い!やたらと陽気に今ではあり得ない会話が交わされる戦意高揚映画「進軍」とか貫一・お宮のテンポ良い会話がまるで喜劇みたいでイメージが狂う「金色夜叉」も印象に残った。