今日聴いたもの

流れを渡る(紙ジャケット仕様)

流れを渡る(紙ジャケット仕様)

'77年。ちょっとアーシーなやさぐれニューミュージック風の楽曲が並ぶ序盤も悪くないけど、スローテンポの長尺フォーキー・ブルース"流れを渡る"以降の、ジャズ、ブルース色の強い流れがとにかく格好良い。特に、かすれ声で切々と歌われるピアノ・ジャズブルース歌謡"あなたに"から、ゆったりとスウィングするジャジーフォーキー曲"波止場"と続く流れは、歌い手としてだけではなくソングライターとしての魅力も再発見。
寂しい日々(紙ジャケット仕様)

寂しい日々(紙ジャケット仕様)

'78年。上のアルバムのやさぐれニューミュージックな感覚を継承しつつ、70年代終わりっぽいカラッとしたライトAORテイストが加わった前半は、すごく時代を感じるものの、浅川マキの音楽として接するとかなり新鮮な感じ。とはいえ、スッと心にしみてくるのは山下洋輔のピアノが加わるジャジー路線な後半で、小粋なお座敷唄風のメロディーがキャッチーな"ナイロン・カバーリング"が流れ出した途端にガラッと世界が変わるような。一瞬、浅川マキとは思えない洒脱なモダンジャズVo風の"寂しい日々"、とことんダウナーな"暗い日曜日"の印象も鮮烈。