今日聴いたもの

It's a Quiet Thing

Collector's Choice Musicから再発された'65年リプリーズ盤。上品なオーケストレーションを施されたフィメール・ボサMOR集という趣の、静謐な囁きヴォーカルアルバム。なんだけど、どこか八代亜紀にも通じるスモーキーなヴィブラート唱法の効果もあってか、なんだか深遠なムード歌謡みたいに聞こえる瞬間も。

やはり、まず耳を引くのは、出だしのメロディーでグッとつかまれるボサなMORバラード"It's A Quiet Thing"と、スパイ映画サントラ的なテイストのあるクールな"Mountain High Valley Low"という、AB面のそれぞれ1曲目に置かれているキャッチーな曲。でも聞きこむうち、"Dindi"や"Unless Landscape"、"How Insensitive"といった、ジョビン曲を情念の滲むヨレたヴィブラートで歌い上げるムード歌謡ボサな路線にだんだんハマッてくる。