今日聴いたもの

原始共同体 Primitive Community

原始共同体 Primitive Community

'70年。フルートの横田年昭のリーダーアルバムで、水谷公生のファズギターや穂口雄右ハモンドジャズ、そして大人数のパーカッションをフィーチャーして、ジャズ側からアプローチしたニューロックが展開される1枚。とにかく、アルバム全編にわたって、プリミティブな民族系フリージャズとアフロやラテンロック的なグルーヴが一体となった、想像以上に振り切れた演奏がとにかく強烈。

おどろおどろしいイントロから先の読めない怒涛のフルートジャズロックに突入する、コミューンサイケ感満点の"禁じられた儀式"をはじめ、哀愁と凶暴さが同居した民族パーカッシヴトラック"悪魔の涙"、アッパーな集団コーラスがキャッチーな"ハリクリシュナ"と、ノングルーヴ系フリー演奏とファンキーなニューロックを自在に行き来しながら展開する前半の流れが特に素晴らしい。ビートルズの"フライング"カヴァーなど、抑制が効いた曲が並ぶアルバム後半は、ちょっとプレ・ニューエイジな感じ。