今日聴いたもの

Jukin' / The Manhattan Transfer and Gene Pistilli
久しぶりにEMIの999円ジャズ再発シリーズを2枚購入。こちらはマンハッタントランスファーのごくごく初期の活動を記録した'71年作品で、いきなり飛び出すフィフス・ディメンション風の上昇気流系ハーモニーポップ"Chicken Bone Bone"、そしてローラ・ニーロっぽいソウルフル・ピアノフォークロック"I Need A Man"と続く流れに意表を突かれる。
3曲目のデキシージャズスウィングコーラス"You're A Viper"で、やっとお馴染みのスタイルが聞こえてきてホッとさせらるのもつかの間、カントリーからドゥワップ、はてはパワフルでアーシーなロックンロールまで、最後まで先の読めないあまりに多彩すぎる音楽性。そのどれもがそれなりに高水準なイイ曲揃いで、とりわけ、ゆったりスウィングするギター伴奏をバックにデリケートなハーモニーを聞かせる洒脱ノスタルジック・スウィング"Java Jive"から、クラリネットをフィーチャーした奇妙なブルースロック"One More Time Around Rosie"と続く流れはかなりお気に入り。
Score / Randy Brecker
70年代以降のフュージョン・シーンで大活躍するトランぺッターの'69年リーダー作。完全にオリジナル曲で固めた野心作で、急速ビートがスローダウンする不思議なテーマフレーズを持つ変拍子ジャズロック"Bangalore"、ギターカッティングがイカすエキゾティックなR&Bジャズ"Score"と続く冒頭のド派手な2曲がなんといっても最高。
3曲目"Name Game"以降はやや落ち着いたトーンで進行するんだけど、ジャズサンバの"Morning Song"やメロウなワルツジャズ"Pipe Dream"など、新主流派とMOR/イージーリスニング・ジャズが融合したような、アブストラクトで複雑ありつつ耳ざわりはあくまでポップという、独特な感覚が面白い。ラリー・コリエルのちょっとガボール・ザボを思わせる糸を引くギターがまた格好良い。