今日聴いたもの

Barefoot Adventure (Original Motion Picture Soundtrack) / Bud Shank
「JAZZ名盤999ベスト&モア」という廉価再発シリーズで出ているバド・シャンクの盤をいろいろ購入。これは'61年、サーフィン映画のサントラとして製作されたという1枚。帯の「サーフジャズ」という謳い文句に惹かれて、一体どんな音なんだろうとワクワクして聞いたんだけど、冒頭から、軽快な疾走リズムに乗って演奏される耳に残るエキゾティックな3管テーマフレーズがいきなり格好良い!同じくテイクファイヴ系のエキゾティック・ジャズ"Jungle Cruise"に、高速ランニングベースにシビれるHow High The Makaha"、メロウでデリケートなパーカッシヴ・ラテンジャズ"Ala Moana"、高速4ビートと変拍子が目まぐるしく入れ替わる"Dance Of The Sea Monsters"など、どの曲もウエストコーストらしい清潔でクールなトーンを貫きつつも、ロックンロールな感覚に満ちていてヤバい。
Magical Mystery / Bud Shank
'67年。リアルタイムでビートルズの「Magical Mystery Tour」を丸々カヴァーしたアルバム。ブレイクビーツっぽいダウンテンポ・ビートや、曲間に挿入される現代音楽風のインタールードなど、ヒップな要素が満載で、とりわけ"Blue Jay Way"と"Flying"のアブストラクトでダウナーな雰囲気は最高。サイケなムード全開な中にひょっこり顔を覗かせるウエストコーストマナーなフレーズもまた絶妙なアクセントになっていて楽しい。アルバム後半は当時のソフトロック系ヒット曲集になっていて、アソシエイションやフィフス・ディメンションなど選曲には惹かれるものの、演奏自体は「歌のない歌謡曲」状態のポップスのイージーリスニングジャズでやや薄味な印象。
Windmills Of Your Mind / Bud Shank - Michel Legrand
'69年。ミシェル・ルグラン自身をアレンジとピアノ演奏で迎えた、ルグランのカヴァー集。物悲しいハープシコードとストリングス演奏に寄り添うように物悲しくサックスがブロウされる哀愁ヨーロピアンな世界とクールジャズを行き来する冒頭のタイトル曲から、室内楽風のチェンバージャズにハモンドが涼しいウエストコーストジャズがアダプトされた"Watch What Happens"と続く、超オシャレな展開にいきなりノックアウト。同じく「シェルブールの雨傘」のメインテーマ曲は、哀愁のテーマメロディーと変幻自在なリズム展開の落差にクラクラ。3曲収録されてる「ロシュフォールの恋人たち」関連の曲ももちろん最高で、フルートが舞う急速ワルツジャズにアレンジされた"デルフィーヌとラシアン"は特にお気に入り。