今日聴いたもの

魔法の領域 / 杉真理
'08年。ずいぶん久しぶりに聞いた気がする杉真理作品は、BOX以来のビートルズ趣味が前面に出た路線が全編にわたって展開されてる楽しい1枚。最近ここまでビートリッシュな音楽性の盤って逆に珍しいような。とりあえずなんといっても松尾清憲と共作の冒頭曲で、ラウドなギターとゴージャスなストリングスで彩られた美メロ・パワーポップ"Make Love Not War"が素晴らしくて、めちゃくちゃアガる。声質が声質だけに、この曲のようにある程度ハードエッジなアレンジの方が甘すぎずイイ感じで、他にも疾走マージービートな"シャローナに片想い"やコステロ「Get Happy!」系のR&Bビート"Good News"といった曲がお気に入り。
CINEMA RETURNS / シネマ
'07年。ちょっと怖くて聞きそびれていたシネマの復活作。蓋を開けてみるとかつてのNW的なソリッド感が薄まって、70年代英国モダンポップやプログレ的な感触が強い印象で、やはりオリジナル・シネマとは別のバンドに聞こえる。個人的には中盤、フックの効いたメロディーが散りばめられた一色進のグルーミーパワーポップ"ミセス・センチメンタル"に、心のラブソング的なサビの展開にときめく松尾清憲作品"Theatre Returns(午前5時、あの場所に)"、鈴木左衛子のリード・ヴォーカルで聞かせるモダン・サイケポップ"Rock'n Roll Stars in Heaven"と続く流れが好き。あと、松尾清憲のマッカートニー趣味に異質なアンビエント感を持ち込んだような"虹色のアライヴァル(One fine day, One rainy day)"や「Help!×3」の頃を思わせるラストの"サイレント映画"とか。