今日聴いたもの

Divine State of Mind / Paul St Hilaire
'07年。Basic Cannel傘下レーベルから出たミニマル・ダビーなルーツレゲエ。電子音が飛び交うベーチャン系テクノと70年代ルーツレゲエが、ダブを介して接続されたような不思議な感覚があって、そのラスタ感の薄い囁き系の甘い歌声もあいまって、なんだか新しい21世紀型のルーツレゲエを聞いているという気分に。スローなミニマル浮遊ルーツが怪しいホラー展開を見せる"Peculiar"、メロウなクロスオーヴァーなトラック上でファズギターがヘヴィにうねる"Clock A Tick"、ミニマルなテクノダブトラックに呟きナレーションを乗せた"Humble"など、一筋縄でいかない曲群に混じって、ハードボイルドなアップテンポ・ルーツ"Jah Live Over The Hills"みたいなストレートな曲が混じっているのも面白い。
I-Sus / Delroy Washington
'76年のヴァージン、フロントライン盤。基本的にウェイラーズ直系のオーソドックスなルーツ・レゲエなんだけど、泥臭さとスマートさが入り混じったスピリチュアルな歌声や、フルートやハモンド、クラヴィネットなどクロスオーヴァーなアレンジなどに、UK産ならではのスタイリッシュを感じる音。アーバンなサックスやエレピが醸し出すAORチックな雰囲気とシリアスな曲調との微妙なミスマッチ感がクセになる"Observance"をはじめ、サビの哀愁メロにグッと来るハーモニー・ルーツ"Gotta Keep On Moving"、埃っぽいブルースハープが格好良い"Time Passage"、クールなNW感覚のある"Streets Of Ladbroke Grove"など、次作の"Chant"のようなインパクトの強い曲はないものの、アルバムを通してジワジワくる1枚。