今日聴いたもの

夜のカラッポ / ザ・シロップ
純然たる新作を聞くのは随分久しぶりな気が。でも、スリラー・ムードのインストではじまり、一転、疾走感満点の昭和歌謡ガレージグルーヴ"全部カラッポ"に突入するオープニングから、全く変わらないいつものゲバゲバ・ワールドが繰り広げられていてとりあえずひと安心。ルパン三世エンディング的なアンニュイ歌謡"裏切りは女のアクセサリー"にブルースファンクを取り入れた多分新機軸な"頭いっぱいのサイケ"あたりが特にお気に入りで、アルバムとしてもR&Bビート・ミーツ・ジャズロックな"ネー・ネー・ネーチャン"あたりまでの流れはインタールードも含めて完璧。終盤ちょっと作りこみすぎてやや失速感があるものの、待たされた甲斐は十分あったと思える力作。
八月の詩情 / Lamp
新作ミニアルバム。冒頭、いきなり刑事ドラマのサントラのようなイントロに意表を突かれる"青い海岸線から"の印象が何といっても鮮烈。このユニットならではの男女ヴォーカルのスイッチングも完璧で、今回これが個人的なベストトラック。"夢をみたくて"に"八月の詩情"といった、前作までの世界を踏襲したような白日夢的な幻想シティポップも素晴らしく、この微妙に先の読めないプログレッシヴな構成も独得の持ち味になりつつあるような。