今日聴いたもの

Mavis / Mavis
'10年。ホレス・アンディとのコラボ盤に続いてのアシュレー・ビードル新作。ユニット名はメイヴィス・ステイプルにオマージュを捧げたものらしく、そう聞くと硬派なソウル・ミュージックを想像してしまうけど、それっぽいのはキャンデイ・ステイトンをフィーチャーしたダビー・ソウル"Revolution"くらいで、あとはゆったりしたダウンテンポ・トラックにミュージカル風のオーケストラルオレンジが施されたMORバラード風の歌が中心。なので、一瞬肩透かしを食らった気分にはなるんだけど、冒頭のクルーナー・バラード風の"Gangs of Rome"に"Puzzles & Riddles"、女性ヴォーカルの"4:14"からエドウィン・コリンズが歌う"Feeling Lucky"に繋がる感動的な流れなど、随所に散りばめられたスペーシーな電子音のキラキラ感もあって、なんともドリーミーで胸締め付けられるノスタルジック・トリップホップとでも呼びたいスローコアな傑作。
Compass / Jamie Lidell
'10年新作。本格ソウル志向が極まった前作を聞いて、この人のエクスペリメンタル要素とソウルの独得な融合スタイルに惹かれていた自分としては、もうこれ以上追いかけなくていいかなと思っていたら、今度はベックがプロデュースとのことでやはり気になって購入。聞いてみると、確かにザラザラした感触の埃っぽいオルタナブレイクビーツ・ソウルが並ぶ前半と、よりロック色の強い後半と、前作とは一転して尖ったプロダクションなんだけど、なんとなくモッサリしてる印象で、コンセプト的にあえてそうしてるのか全体にメロディーのキレもあんまり感じられないような気がして、いまいちノリきれず。ただ、フラメンコっぽい歯切れ良いギターが気持ち良い哀愁ロック"Compass"と、グリズリー・ベアのメンバーを迎えてドローンに展開する"Big Drift"といったストレンジ・フォークロック路線の曲は良かった。