今日聴いたもの

Brand New / Woody Herman
'71年。ウディ・ハーマン率いる老舗ビッグバンドがマイク・ブルームフィールドを招いて、ビッグバンドジャズとブルースロックの融合を試みた珍品ジャズ盤。なんといっても1曲目の昭和レトロなグルーヴィー・ジャズロック"Sidewalk Stanley"が最高で、分厚く歯切れ良いブラスとエグいスクイーズ・ギターの絡み、御大による肩の力の抜けたヴォーカルと、ヒップな要素が満載の傑作トラック。この曲のインパクトが強すぎて、パッと聞いた感じ他の曲があまり印象に残らないんだけど、聞き込むうち、エキゾティック・スウィングな演奏にフィーチャーされたメロウなトーンのギターが徐々に凶暴化する"Since I Feel For You"や、クールなジャズロック・ブルース"Hitch Hike On The Possum Trot Line"など、スロー曲にだんだんハマッてくる。
King Cobra / Woody Herman
'75年。こちらもまた1曲目の"King Cobra"のインパクトが強い。ゆったりうねるブレイクビーツ風リズムトラック上でハリウッドスウィンギンなホーン隊とエレピ、そしてエクスペリメンタルな電子音が入り乱れるストレンジ・ジャズ・グルーヴ。2曲目のスティーヴィー・ワンダー"Don't You Worry 'Bout A Thing"以降は、ビッグバンド・ジャズとクロスオーヴァーが独得のバランスでミックスされた好トラックが並んでいて、急速テンポに乗ってお馴染みのフレーズが流れ出す瞬間のカタルシスがものすごい"Spain"や映画音楽的な流麗さのある変拍子ジャズロック"Lake Taco"なんかが特にお気に入り。