今日聴いたもの

Bermuda Triangle / Bermuda Triangle
Radioactive再発。ユーフォリアというグループに在籍していたという記述を見た気がする、米国男女デュオの'77年作。透明感のある女性ヴォーカルや歌メロなど完全にトラッド・フォーキー、と思わせてギターレス。代わりにエレクトリック・オートハープが、フランジャーのかかったギターのカッティングみたいな音をずっと発しているんだけど、それがなんというか時空が歪むような独得の音響効果を生んでいて、とってもアシッド。特にエアロスミスのカヴァー"Dream On"のメランコリックな白昼夢具合や、軽快なカントリー調でミニマル反復ロックをやってるような"Night Train"の何とも言えない違和感が印象的。
Growing Concern / Growing Concern
'68年。これもRadioactive再発のフラワーな男女混声米サイケ。ハープシコードをフィーチャーしたり、一見端正なハーモニーポップっぽい風情でありつつ、同時にガチャガチャしたガレージ要素が満載で、どこか落ち着かない気持ちにさせられるアンバランスな音楽性。全体に混声ハーモニーの美しさに拮抗しうるような美メロが不足しがちな感もあって、どちらかというとファズ・ギターがうなるブルージー・サイケ・グルーヴ"Other Side of Life"などのガレージサイドな曲により惹かれる。ただ、グルーミーなソフトロックと凶暴ヘヴィガレージが絶妙に両立した"Mister You're A Better Man Than I"カヴァーは最高。
Up Down / Summer Sounds
マサチューセッツの5人組バンドの'69年作。一聴、特にキャッチーでもバイオレントでもなく、ただ地味なガレージ・ロックが延々と続いてる感じのアルバムなんだけど、そのナヨっとしたヴォーカルやイージーリスニングめいたゆるくチープなオルガンなど、聞き進むうち、全編を覆う独得の腑抜けた青春感がクセになってくる奇妙な1枚。特に"Lonely Beach"や"Summer Girl"といったバンド名どおりのサマーソングに漂う喪失感は只事ではない感じ。一向に弾けないスペンサー・デイヴィス・グループの"Gimme Some Lovin'"や、ヘナヘナしたゾンビーズの"I Love You"カヴァーも実にさびしい。Radioactive再発。