今日聴いたもの

Ze Ramalho / Ze Ramalho
'78年のフォーキーMPBなSSW作品。ディランっぽいトーキングスタイルにレナード・コーエン風、シアトリカル調と変幻自在な唱法に、曲調も多彩で、なかなか一筋縄でいかない音楽性。"マインド・ゲームス"をディラン風に歌って何故かデヴィッド・ボウイになってる感じのキャンプなオリエンタル・フォーキー"Vila do sossego"に、スペーシーなシンセとファズ・ギターがとどろくコズミック・フォークバラッドの"A danca das borboletas"とかインパクトの強い曲が並んでいて、中でも、Jose Mauroを思い出す鬱々とした哀愁フォーキー"Adeus segunda-feira cinzenta"から、キャッチーな歌謡メロが最高なダウナー・ラテン"Meninas de albara"、祝祭的なヒッピーフォーク・サンバ"Voa, voa"と続く、ブラジルならではの独特のアシッド感に満ちたラスト3曲が絶品。
Durazno Sangrando / Invisible
'75年。アルゼンチンのプログレ・サイケ盤。スカスカなガレージ演奏に妙に琴線に触れるメロウな泣きメロを乗せて、ほとんどコラージュみたいな強引な組曲展開を見せる15分の大作"Encadenado al Anima"が何と言っても強烈で、紆余曲折を経てクリムゾンの「レッド」みたいになるエンディングはちょっとしたカタルシス。でも、そんな謎に満ちた大作路線の曲とは逆に、コンパクトな小曲になると、グルーミーなフォーキー・ジャズロック"Duranzo Sangrando"に、屈折したモダンポップの味わいの"Pleamar de Aguilas"、そして切ないメロディーに胸を締めつけられるプログレAOR"Dios de Adolescencia"と、フックの効いたメロディーセンスが際立つ名曲を連発。