今日聴いたもの

As They Are / Tee & Cara
67年。NYの男女フォーク・デュオの多分唯一作のRev-Ola再発盤。繊細なメロディーに優美な室内楽アレンジが施されたソフトロック〜MOR的に洗練された雰囲気で、もちろんヴォーカルもジェントルな囁き系。ヴェルヴェッツの"Sunday Morning"をMOR寄りにしたような"Don't Ask Me Why"からジャジーな"Keeping Track"に続く冒頭2曲に何ともダルなムードの"A Hard Day's Night"カヴァーがやはり特に印象に残るけど、時々アクセント的に快活な曲を交えつつも、あくまでもボンヤリ薄明るいほんのりダウナーなムードで進行するアルバム全体の空気感が魅力的。
Labi Siffre / Labi Siffre
「For the Children」の意外なモダンポップ的展開にハマッて、とりあえず70年代音源を追いかけてみることに。これは70年1st。1曲目がファンキーなグルーヴィー・フォークで、やはり出自は黒人フォーキーな路線なのかと思いきや、続くビージーズの"Words"カヴァーでは随分端正な白い雰囲気を醸し出し、さらにダメ押しのようにロジャニコの"Don't Take Your Time"すら髣髴とさせる高速ソフトロック"Something On My Mind"が。以降もノーザンソウルからアコースティック・スウィング、ミュージカル風まで、フォーキーなトーンを基調にしつつも、アレンジの端々にアヴァンなセンスが散りばめられた越境サイケポップとでも言うべき世界が繰り広げられていて、その美メロ・メイカー振りも含めてやはりこの人の音楽はかなり面白い。