今日聴いたもの

Scitatics / Happy Accidents
01年。メカニカルな超絶演奏と教則レコードのようなナレーションが同居したタイトル曲をはじめ、独特なユーモアセンスに満ちた疾走ジャズロックと、カーリン・クローグ辺りを思わせるオブスキュアな雰囲気のスローな女性ヴォーカル曲がきっちり交互に置かれていて、その音楽性の落差と意味不明な几帳面さにだんだんクラクラしてくるんだけど、8曲目の"Shirt in Heaven"で二つの音楽性がついに見事に融合する瞬間はちょっと感動的。適度なフリー要素もむしろ楽曲をキャッチーに響かせるアクセントになっていて、これはレコメン系アヴァン・ロックの中でもかなりでスタイリッシュな部類の1枚では。
Mars Loves Venus / The Brunettes
04年。ニュージーランドの男女インディ・ポップ・デュオ。冒頭、60年代ポップ・テイストのジザメリギターポップ"Mars Loves Venus"を聞いて、てっきりそっち系の人たちかと思いきや、トラッド・フォーキーでエレポップな"Loopy Loopy Love"に、オルガンジャズ風に始まりプログレ的な凝った展開を見せる"Too Big for Gidget"、R&B系ビート・バラードとベルベッツが融合したような"Record Store"と、アルバムを聞き進めるうちに徐々に底の知れない感じが強まってきて、そのツボを押さえたソングライティングと一筋縄でいかないアレンジにすっかりハマってしまった。何より全体に漂うキラキラした多幸感が魅力的。