今日聴いたもの

ハイファイ新書 / 相対性理論
新作。今回は全編メロウなトーンで貫かれた80年代NW風のギターポップ集で、ウィスパリン気味のヴォーカルはちょっとアイドルっぽい雰囲気も。ぶっきらぼうな少女ヴォーカルが凶悪にキュートだった"スマトラ警備隊"のようなインパクトのある曲はないものの、相変わらずキャッチーなメロディーとやけに語感の良いナンセンス歌詞の組み合わせが最高。とりあえず"地獄先生"や"学級崩壊"といったバカバカしさと甘酸っぱさが同居した学園モノや、ちょっとジュニアSF小説的な"四角革命"、"バーモント・キス"あたりにかなりヤラれた。
Electric Arguments / The Fireman
08年。ポール・マッカートニーがユースと組んだファイアーマン名義作。とりあえず1曲目のブルージーなヘヴィサイケ"Nothing Too Much Just Out of Sight"で久しぶりに聞いた狂気を孕んだシャウトに感激。マッカートニーが吹くブルースハープがブルース色を醸し出してるんだけど、決してルーツ指向の音楽ではなくて、アンビエントでダビーでサイケな感覚に満ちた、ちょっと掴みどころのない不思議ロック。ローファイなゴスペル・フォークロック"Light from Your Lighthouse"はまるでフリーフォークだし、スペクターなリズムの"Dance 'Til We're High"も60年代ポップスのオマージュというよりむしろジザメリあたりに近いような。特にテクノとチェンバーなプログレが融合したような"Lovers in a Dream"からドローン・フォーク〜ハンマービート〜アンビエントが入り乱れる終盤の展開は圧巻。ポールらしいキャッチーなメロディーを期待しなければ、これはなかなかユニークで楽しい1枚。