今日聴いたもの

Limbo, Panto / Wild Beasts
08年。80年代ポストパンクと70年代のモダンポップが混ざったような何とも英国的なひねくれギターロック。リードヴォーカルの、ファルセット・ヴォイスを駆使したストレンジな歌唱もあいまってなかなか奇妙な味わいを持ちつつ、もともとはエドウィン・コリンズ似のほのぼのとした声質のせいかオレンジジュースっぽい青春感覚もあって、ちょっとつかみどころがない感じ。そのポストパンクでモダンポップな音楽性を象徴するような冒頭の"Vigil For A Fuddy Duddy"のほか、初期トーキングヘッズ風で、ファルセットのままシャウトする気色の悪いヴォーカルが絶好調なマーチング・ギターロック"Brave Bulging Buoyant Clairvoyants"、ちょっとアフロなニューウェイブ・ファンク"The Devil's Crayon"、直球ネオアコ風の"Woebegone Wanderers"あたりがお気に入り。
Baby Comes Home / Patrick Cleandenim
ニューヨークのSSWの07年作。ノスタルジックなピアノSSW路線で、ヨーロピアンなデカダン・ムードに満ちたタイトル曲から、ロカビリーっぽいスウィンギンなピアノロック"Hypnotized"、モータウン風ビートの爽快ハーモニー・ポップ"Cognac and Caviar"と、目まぐるしく曲調が変わる展開になかなかの才気を感じつつ聞いてたんだけど、"Until You Said I'm Gone"と"Days Without Rain"と続くグルーミー・ソフトロッキンな2曲でノックアウト。遠くで鳴っているようなイージーリスニング・コーラスが素晴らしい。前半に比べて、ちょっと抑えた雰囲気のアルバム後半では、ラウンジーなラテン・ジャズでちょっとゾンビーズっぽい"Whispers Only Hurt Them"が最高。