今日聴いたもの

Sweet Spot / ゆらゆら帝国
05年。メロウな方向に突き抜けていた「空洞です」よりは以前の音楽性に通じるサイケ・ロックで、それにしてもこの浮遊してるような脱力してるような何ともいいがたい不条理な感覚は独特で面白い。"2005年世界旅行"、"ザ・コミュニケーション"と続く冒頭から、アンダーグラウンドなロックはこういう風に洗練されていく方向性もあったのかとちょっと盲点を突かれるような感じ。キャッチーなロックンロールで一番のお気に入りの"はて人間は?"と"貫通前"のほか、アンニュイなボサロックで女声コーラスもナイスな"スイートスポット"にトレモロ・ギターをフィーチャーした揺らぎロックンロール"ソフトに死んでいる"といった次作を予見させる曲とか。時々顔を覗かせるジャジーなアレンジも新鮮。
ヘイト船長とラヴ航海士 / 鈴木慶一
08年。コンセプト・アルバム的な作りのソロ・アルバム。ブレイクビーツにエレクトロ、ダブ、ハウスなどクラブ的なトラック作りがされてるにもかかわらず、あくまでもアコースティックな耳ざわりのアレンジ、そしてムーンライダーズなメロディーが満載の1枚。しかし、声の伸びはともかく、往時のデリケートなメロディーの冴えがあまり感じられないのがちょっと寂しいかも。全曲鈴木慶一作品なのに...。それでも70年代のプログレAORムーンライダーズを思わせるメロウなピアノSSW風の"Sukanpin Again"、「マニア」〜「青空」の頃の感触の"自動販売機の中のオフィーリア"あたりにはやはり反応してしまうんだけど。アルバム中で一番鈴木慶一ミーツ曽我部恵一感のあるファンキーなブレイクビーツ・ロック"白い浮標"も割とイイ感じ。