今日聴いたもの

かなえられない恋のために / bice
ウイスパーな女性SSWの新作。冒頭のスウィング・フォーキーなブレイクビーツ・ポップ"レッドバルーン"から、70年代のティンパン系女性SSWっぽい"lily on the hill"、ハウシーなスペイシー・シティポップ"100年後にはふたりはいない"と、相変わらず巧みなソングライティングが全開、というかさらに磨きがかかってるような。中盤に並んでるちょっとフォーキー・エレクトロニカな雰囲気の静謐グルーミー路線の曲でも淡いメロディーにさりげなくキャッチーなフックが仕込まれていて。そして何といってもラスト2曲のドラマティックなMOR調ポップス"ただ恋しくて会いたいなんてね"から"cine love 4"と続く流れは感動的。
うたとギター。ピアノ。ことば。/ V.A.
08年。小西陽康プロデュースのレーベル・コンピ。70年代の内省系SSWや和製ソフトロックみたいな曲がずらりと並ぶ、これまた静謐な空気が漂う1枚。こちらではカタカナ表記の"リリー オン ザ ヒル / bice"からの流れが素晴らしくて、物寂しいフォーキー・アレンジでピチカートなメロディーを聞かせる"どうしてこんなにあなたが好きなのだろう。/ スムースエース"、力強くもメロウな歌声にグッとくるゴスペルタッチの"歌姫 / レモン"、まるでミスターサンドマンなアップテンポ・アレンジに意表を突かれる"わるいくせ / 野本かりあ"が特にお気に入り。あとメチャクチャ流麗な歌とギターが異質な存在感を放つ"僕のピアノのそばにおいで / 長谷川きよし"のインパクトもスゴイ。