今日聴いたもの

Metiendo Mano / Willie Colon & Ruben Blades
77年。SHINODAさんのセレクトで聞かせていただいたアーバンなムード歌謡傑作"Pablo Pueblo"収録。どの曲もイントロがやたらと格好良くて、どんなイカシたラテン・ジャズが始まるのかと思わせて、必ずベタな歌謡調になる(で、間奏で又いきなりヒップに!)、このある種のラテン音楽の独特なスタイルに、昔はかなり違和感を感じてちょっと苦手だとも思ったんだけど、改めて聞いてみるとなかなか愉快な音楽。ちょっと昭和ムードの哀愁が滲む"Lluvia de Tu Cielo "、高揚感のある華やかなマンボ歌謡の"La Mora"に"Fue Varon"など、洒脱を極めたアレンジと歌とのギャップが素晴らしい。
Siembra / Willie Colon & Ruben Blades
78年。クールなディスコ・ファンクなイントロからしれっと哀愁にみちた歌謡調に突入する"Plastico"と、「Solo」と完全に地続きのスリリングなミュージカル風オーケストラル・チューン"Siembra"という強烈なオープニングとエンディング。そしてその2曲に挟まれて展開される、躍動するリズム上で洒脱なピアノやホーン、泣きメロとコブシが交錯する濃密な歌謡ラテンワールド。マイティ・スパロウの"NYブラックアウト"(だったか)を思い出すサイレン音入り陽性歌謡"Pedro Navaja"、おどろおどろしいイントロから一転ムード歌謡みたいな歌になって1曲目に続いてひどい肩透かしを食らう"Maria Lionza"、フックの効いた哀愁メロディーにグッとくる"Dime"など、なるほどこれは確かに名盤。