今日聴いたもの

「そんなとき女を好きになる」 / チューリップ
88年。電子ドラムのスネアが鳴り響く、バブル絶頂期の空気感でいっぱいの産業ロック系シティポップ〜ニューミュージック集。そんなサウンドとちょっとメルヘンチックな財津和夫の歌声とのコンビネーションがなんとも独特の味わいで、ガラスのクラッシュ音などを挿入した産業ハードな歌謡ロック"トライアングラー・ラヴ・エイド"にアダルトなシティポップ歌謡"まっ赤な花と水平線"、8ビートの陽性ポップ"TULPIANの服を着た君"とかなかなかイイ感じ。作詞を秋元康に任せてしまうとか、もっと軽薄さを徹底して追求してみたらさらに面白かったかも。ベストトラックは、70年代チューリップを髣髴とさせるマッカートニー系フォーキー・ポップに女性のセリフのコラージュが被さる"女たちの危険な事情"。
Well / チューリップ
89年。前作は財津和夫以外のメンバーの曲は産業シティポップ系サウンドに埋没してる感じで、あんまり印象に残る曲がなかったんだけど、ソフロ〜MOR系の高橋ひろの2曲や、宮城伸一郎村下孝蔵チックなマイナー調ニューミュージック"Crossing"など、こちらは逆に各メンバーの個性が強く出てる1枚。さりげなく凝ったメロディー展開のシングル曲"ストロベリー・スマイル"やアダルト路線の"逢う度に逢いたい"あたりはさすがにイイ曲だけど、財津作品は全体的に地味な印象。