今日聴いたもの

マルタの鷹 / 加藤和彦
加藤和彦は「ヴェネツィア」までで止まってたんだけど、急に「その後」が聞きたくなって。87年の今作はジャズ色濃厚なハードボイルド・ミュージカルという趣で、"CHINA TOWN"とか珍しくエモーショナルな歌を披露する場面も。「マリーローランサン」を思わせるAORテイストが素敵な"DECEMBER SONG"や、ヨーロピアンなオーケストラル・バラードの"ARTICHOKE & FRESCOBALDI"に"JOKER"など、どちらかというとそれまでの音楽性を踏襲したタイプの曲にやはり惹かれてしまうんだけど、小粋なスウィング・ナンバーと思わせて最後にショッキングな結末が用意されてる"FANCY GIRL"やキャラヴァン風のエキゾティック・ジャズ歌謡"BACCARAT ROOM"など、新機軸のジャズ路線もさすがに高品質。
TRUTH HURTS / 八神純子
87年。ほぼ全編に渡ってブラコン路線で統一されたダンサブル盤。社会派メッセージ風やサバンナ系エコロジー、「女性」モノなど多彩なテーマの歌が並んでるけど、マシナリーなエレクトロ・ビートと甘いヴォーカルで歌われるニューミュージック/シティポップ的メロディーの組み合わせが絶妙な"THANK YOU FOR THE PARTY"に"TELEPHONE NUMBER"、ルパン3世系というか火曜サスペンスフルというか、そんな雰囲気のミッドテンポ・バラード"TAKE ME TO THE SKY (自由の女神のように)"といった恋愛モノがやはりイイなあ。