今日聴いたもの

大都市を電車はゆく / グディングス・リナ
07年。簡素でクールな打ち込みトラックが心地良いフィメールSSW盤。80年代NWっぽいディスコ歌謡にはじまり、90年代のUS女性SSW風、下世話なエキゾティック・ラテン歌謡と、なかなかつかみどころのない感じで進行するんだけど、タイトル曲の淡々としつつ切ない歌声とメロディーでやられた。いったんハマッてしまうとどの曲も肌になじんできて、冒頭の3曲も、他のR&Bやダンスホール路線もどれもイイ感じに。中でもどこかマンチェな雰囲気のディジーダンスホール歌謡"L.O.V.E.ファウンデーション"や、アンビエントなフォーキー・テックR&B歌謡"白日の花火"など、タイトル曲に通じる抑制の効いたタイプの曲が特に素晴らしい。
ファミリージェネシス / YMCK
08年。"錆びた扉の第8天国"、"プレアデス"、"Starlight"と続く冒頭のストレートなシブヤ系チップチューン3連発が最高。キュートなレトロフューチャー・ポップ風の音に、よく聞くと硬質なハードSFタッチの歌詞。前作のような、8ビットでこんな音楽まで再現してしまうのかという驚きはちょっと薄れたけど、相変わらずチープでありつつ完成度の高い音楽性で、何よりこのキュートなウィスパリング・ヴォイスとキラーなメロディーのフックの魅力には抗えない。