今日聴いたもの

今昔うたくらべ / うめ吉
06年。三味線片手に昔の流行歌をキュートなヴォーカルで歌う、まるで「コーちゃんのお座敷うた」の再来のような軽妙洒脱なジャパネスク・スウィング盤。スクイーズする三味線ソロにシビれる1曲目の米山正夫作品カヴァー"お座敷ロック"から思い切りヒップでグルーヴィー。ヴァイブがクールな"あゝそれなのに"やキレのあるホーンをフィーチャーしたラテン・ジャズ調の"ちゃっきり節"など、ハッキリ言ってバンド演奏の8曲目あたりまでは全曲素晴らしいんだけど、特にモッドなオルガン入りのシャッフル・スウィング"三味線ブギウギ"はメロディーの素晴らしさに改めて感激させられる名演名唱。
Sitting On Bottom Of The World / Noahlewis Mahlon Taits
03年。ヴィンテージなアコースティック楽団によるノスタルジックでエキゾティックなスウィング・スロー・ミュージック。ほとんど知らない曲ばかりなんだけど、素材となっている楽曲の作曲クレジットを見るとエンニオ・モリコーネフィル・スペクターチャック・ベリーなんかの名前もあって、戦前ジャズ風のレトロな佇まいの中にもどこか洗練された耳触りが。中華テイストとラテンなリズムが絶妙に同居した"Ferry Boat Serenade"、のこぎりの音色がフワフワした浮遊感を醸し出してある種ドローンな味わいの"Tenderly"、ユーモラスと哀切さを行き来るアレンジが秀逸な"The Breeze And I"と続く流れが特にお気に入り。それにしてもアコギの響きが実に魅力的。