今日聴いたもの

Concrete And Clay / Eddie Rambeau
ボブ・クリューのDyno Voiceレーベルの65年盤で、プロデュースはチャーリー・カレロ。自身のオリジナル曲やヒット曲のカヴァーなどを肩の力の抜けた甘い歌声で聞かせる、アーリー60'sテイストの屈託のないアメリカン・ポップの典型という感じのスタイル。フックの効いた甘酸っぱいメロディーにグッとくるマージービート風"I Just Need Your Love"や、ラテンテイストの洒脱なビートポップ"Yesterday's Newspapers"など、作家としてもヒットを出しているだけあって当然オリジナル曲も高水準なんだけど、何といってもアル・クーパー作のバカラッキシュなソフィスティケイテッドMOR"I Fell In Love So Easily"と、やはりA&Mなホーン入りのフォーキー・ビート・ポップ"Girl Don't Come"が最高。オリジナルに比べて随分リラックスした雰囲気がむしろタイトルにあってる気がする"It's Not Unusual"とテクニカラーなアレンジの陽性ラテンポップスと化した"Save The Last Dance For Me"も秀逸なカヴァー。Collectable再発。
Wildest Guitar / Mickey Baker
ミッキー&シルヴィアのミッキー。全編を通じて金属的なトーンの単音フレーズと低音リフの絡みが気持ち良いエレキ・インスト・アルバムで、陽気にストンプする1曲目「第三の男」のテーマ曲からいきなりご機嫌。鋭角的なギターで迫るピーター・ガン系のクールなラテン・ナンバー"Baia"やラウドなギター・アンサンブルにシビれる"Milk Train"といった割とアグレッシヴな曲もあるものの、全体的にはどこかイージー・リスニングっぽい味わいで、激しいトレモロが涙腺を直撃する哀愁ヨーロピアンな"Autumn Leaves"や、"Lullaby of the Leaves"や"Gloomy Sunday"などのマイナー調のブルース・インストなんかは、ほとんど「歌のない歌謡曲」に通じる世界。Sepia Tone再発。
Gemini V en Mexico / Os Bossa Tres - Leny Andrade - Pery Ribeiro
66年。豪華メンツによる臨場感満点のライヴ盤。激しいドラミングに叩きつけるようなピアノ、時に吐き捨てるようなラフなヴォーカルと、聞きなれたボサのヒット曲の数々が、めちゃくちゃパンクに演奏されてて凄く新鮮。疾走感満点のジャズ・サンバ"Samba De Verao"からヴォーカルが加わってのメドレー"Potpouri (Roery Ribeiro)"になだれ込むオープニングをはじめ、ボサ・トレがひたすら熱くて最高。白熱のシンバルワークに燃える"Love For Sale"、ジャズロック的なインタープレイを聞かせる"Gunta O Rato"など。