今日聴いたもの

天地総子大全〜フーコのコマソン・パラダイス / 天地総子
のこいのこに続くコマソン歌手コンピ第2弾。快活な歌声で歌われる牧歌的で洒脱なCMソングがズラッと並んだ、昭和なムードでいっぱいの1枚。粋にスウィングする"サクマのチャオ"、桜井順の秀逸な一発ネタ"資生堂 オリーブ石鹸・浪曲篇"、洒脱なヴァイヴ・ジャズ小唄"福正宗"など、ウィットの利いた和洋折衷ワザの数々が楽しい。代表作の"アート引越しセンター"はフルコーラスで聞くとユーモラスで切ない歌世界に結構キュンとくる。
テレビ番組主題歌を中心とした歌謡作品もかなり充実してて、ハートウォーミングなディスコ歌謡"減点パパの唄"、サイケでゲバゲバなR&B歌謡"お笑いオンステージの歌"、横森良造が手がけたボサなミュゼット・ソフロ歌謡"雨に濡れていた"、筒井康隆山下洋輔コンビによるこれまたソフロ・テイストの"銀色の真昼"など、どれも洗練された大人の味わい。しかし、宇野誠一郎の作品集と筒美京平の6枚組コンピでそれぞれ鮮烈な印象を受けた"悪魔ソング"と"三ツ矢サイダーの歌"は、改めて聞てもやはりアタマひとつ抜けてる感じの傑作。
COLTEMONIKHA2 / COLTEMONIKHA
前作は一応店頭で試聴したものの結局買わなかったんだけど、今回は"ドミノ"のキャッチーで切ないメロディーにヤラれて即レジへ。ハウシーなディスコ・テイストのキラキラしたガーリー・テクノ・ポップ。よりダンサブルな"NAMAIKI(extended mix)"もさらに可愛いイイ曲で最高。他の曲はちょっと印象が薄いけど、個人的にはこの2曲で十分満足。あと、"Scene Killer"とか聞くと、このユニットは初期カプセルのJ-POPテイストを継承してるような気も。
Album / Guiro
名古屋のバンドで、しかも松石ゲルがメンバーということになると当然シロップみたいなのを想像してしまうけど、コレが全然違う。なんというか、アコースティックなジャズ・ロック/クロスオーヴァー演奏をベースにしたオーガニックなシティポップっていう感じで、濃密なんだけど風通しのいいアンサンブルがとても心地イイ。浮遊感のあるウッドベースが格好良い"目覚めた鳥"、初期の大貫妙子みたいなプログレッシヴAOR"いそしぎ"、アップ・テンポのクールなファンキー・ロック"しあげをごろうじろ"など、パズルのように入り組んだ曲展開とフックの多い美メロ、それでいて静謐な空気感が魅力的な曲が多数。全体にキリンジっぽいコトバ使いや歌い回しが随所に登場するんだけど、なかでも"かどわかされて"を思い出さずにいられないグルーミー・ファンキーなシティポップ"エチカ"は飛び切りのキラー・チューン。