今日聴いたもの

Dirt / Alice in Chains
グランジ隆盛時代に、ジャケのアートワークが醸し出すメタルっぽい雰囲気のせいで敬遠していたバンド群を、ふと聞いてみたい気分になって、いくつかまとめ買いした中の1枚。これは92年のアルバム。1曲目の"Them Bones"からいきなりザクザク、ゴリゴリしたギター・リフが飛び出してきて、まさにイメージ通りの世界。しかしこのダウナーなオルタナ・メタル・サウンドにビートリッシュパワーポップ系コーラス・ワークが絡んだりするからホント聞いてみないと分からない。リードヴォーカルもどことなくレノンっぽかったりして。2曲目の"Dam That River "は思わずヘドバンしてしまいそうな王道路線でヴォーカルも金切りシャウト系。そして、この2曲のヴォーカルスタイルが同居するフリーキーなダウンテンポグランジ"Rain When I Die"。ここまでの3曲の流れは勢いがあってかなりカッコイイ。中盤以降は、一筋縄ではいかない展開のミクスチャー・ヘヴィ・ロックの嵐で、1回聞いただけではどんな曲なのか把握できない曲が多いんだけど、"移民の歌"風に始まってツギハギっぽいドタバタした展開を見せる"Sickman"はかなりバカバカしくて面白い。他にハードコア・グランジ系の"God Smack"や"Hate to Feel"、B級ホラーな雰囲気の"Angry Chair"など。
Nothing's Shocking / Jane's Addiction
90年。1曲目の"Up the Beach"はテレビジョン直系のネオサイケ・バンド風で、実はこういうバンドだったのかと認識を改めかけたところ、ハイトーン・ヴォーカルに早弾きギターソロが炸裂するヘヴィなハード・ロック"Ocean Size "に突入。しかし、どちらかというとファンキーなリズムが身上のバンドのようで、ミカ・バンドの"どんたく"を思い出す"Standing in the Shower...Thinking"や、アッパーなホーン入りの"Idiots Rule"あたりは、かなり腰に来るカッコイイ曲。変わったところではオルタナティヴなメロウ・ダブ"Ted, Just Admit It..."に、スティールパン入りのゆるゆるフォーキー・メタル"Jane Says"も強力。
King for a Day, Fool for a Lifetime / Faith No More
95年。ミスター・バングルは聞いてたんで、ある程度ミクスチャーな音楽性を予想してたんだけど、ストレートなハードコアの"Get Out"(コレはカッコイイ!)に男臭いラウド・ロック"Ricochet"と続く、ハスカー・ドゥみたいな序盤の展開に微妙に肩透かし。しかしやけに洗練された哀愁ラテン・ロック"Evidence"以降は、メロウとハードコアがゴチャマゼになった濃厚な音楽が展開されてて、スウィンギンなホーンとゴツゴツしたギター・リフが融合しないまま同居するオルタナ・ファンカラティーナ"Star A.D."をはじめ、ボサなギター・ポップやらオリエンタル・ディスコなんかを無理やりハードコアと掛け合わせた、食い合わせの悪い楽曲群が最高。けど、やっぱり不条理リフ系ハードコア"Cuckoo for Caca"みたいな曲に身体が一番反応してしまうんだけど。