今日聴いたもの

Gipsy Rock / Las Grecas
74年。スペインの女子二人組。ファンキーなリズムのアート・ロック〜ヘヴィー・サイケ・サウンドに中近東なメロディーが乗るエキゾティック歌謡で、ヴォーカルは結構思い切りがよくて力強い感じ。"Orgullo"に"Amma immi"、"No nanay"といったファズギターやオルガンが唸るユーロヴィジョン・サイケな楽曲が特に最高だけども、泣きの入ったグッとくるイントロからファンキーなサイケ・ロックに突入する"Te estoy amando locamente"に"Achilipu"、サビのリズム・チェンジがイカすハードロック歌謡の"Te amo, te amo, te amo"と"Asingara"など、結構どの曲もユニークで格好イイ。Underground Mastersというレーベルからの再発。
Furza / Ghetto Brothers
67年。NYの6人組によるガレージなラテン・ソウル盤。メロウラテン・ミーツ・ガレージな"The Girl From The Mountain"をはじめ、マージービート的な"There Is Something In My Heart"、タイトゥンアップ系の疾走ビートの"Got This Happy Feeling"に"You Say You Are My Friend"など、洒落たコードをガシャガシャかき鳴らしながら甘酸っぱい歌を聞かせる、というどこかネオアコ的な世界に胸がキュンと。ベスト・トラックはスライを青春感いっぱいにやってる感じの"Ghetto Brothers Power"。Salsa International再発。
Knight Of The Blue Communion / Peter Ivers' Band
バンド名義での69年作。作曲はアイヴァースだけど、全編Volande Bavanというジャズっぽい女性ヴォーカリストをフィーチャーしてて、アイヴァース自身はブルース・ハープのみ担当。ビーフハートやポストパンク期の音楽を思わせるフリーキーな脱臼ロックにアブストラクト・ジャズ、チェンバー・ロックなどが渾然一体となった、不条理で不穏、だけど不思議にポップな音楽。ガレージでフリージャズでブルースロックな、よれよれブレイクビーツ演奏にストレンジなヴォーカルが乗る1曲目の"Cat Scratch Fever"がメチャクチャ格好良くて参った。他に、予測不可能な展開を見せるダウナー・ロック"Dark Illumination"、地を這うベースラインがヘヴィーにグルーヴする"Lord God Love"あたりも強力。
追加収録のシングル曲はAsha Puthliがヴォーカルで、マーヴィン・ゲイのカヴァーでキューティーなファンキーロック"Ain't That Peculiar"に、アルバム同様のエキセントリック歌唱で聞かせるジャジーでヘヴィ・サイケなブルース・ロック"Clarence O'Day"、どちらも最高。Hux Records再発。