今日聴いたもの

ファミリーミュージック / YMCK
04年。フレンチでジャズでボサな渋谷系お洒落ポップをファミコン電子音で再現した秀逸なトラック。そこに乗るキュートでどこか切ないウィスパー・ヴォイス、ちょっとセラニポージやセシルとかを思い出すこの声とノスタルジックな歌の世界にヤラれる。チープながらコンセプトが一貫した、隙がない感じのイイ曲が並んでるけど、特にお気に入りは、ファミコン音とシャバダバ・コーラスという出会いがしらのインパクトが大きい"Magical 8bit Tour"に、スペ−ス・エイジの「ロシュフォールの恋人たち」とでも表現したくなるような"Synchronicity"(これもコーラスが最高)と"Yellow,Magenta,Cyan and Black(YMCKのテーマ)"。
ファミリーレーシング / YMCK
05年。前作の路線を継承しつつ、ブレイクやアドリブとか、ファミコン音でコレを再現するか!みたいな面白さがさらに増して、音楽的にもスウィング・ジャズやロックンロールなどの新機軸も。何といっても8ビット・スウィング歌謡"カモン! スウィングオールスターズ"が素晴らしい。クールでナンセンス、それでいて切ない名曲。間奏のスウィングルな展開も最高。ガールズ・デュエット・スタイルのオールディーズ風ポップ"魚のまばたき"、遊園地のアトラクションみたいで楽しい"Milky Blue 〜不思議の国のリドル〜"も切ないメロディーにグッとくるイイ曲。
アニタ・カー、ヤング101、ピコ / アニタ・カー、ヤング101、ピコ
73年。アニタ・カーと樋口康雄がアレンジを手がけた、ヤング101の主に女性メンバーの合唱スタイルによる洋楽カヴァー・アルバム。どの曲もさすがに洗練されたコーラス・アレンジだけど、歌声喫茶を思わせる哀愁フォーク歌謡風に始まり、サビで華麗な展開を見せる"希望の朝"のコーラス・ワークは特に凄い。男女混声コーラスで聞かせるギルバート・オサリヴァン"クレア"の日本語カヴァーも、ある意味キラーなハイライト・トラックで、他に"Don't Sleep In The Subway"を爽快なハーモニー・ポップ化した"天使のささやき"、同じくトニー・ハッチ曲で、お茶の間テイスト満点な"ダウンタウン"のパヤパヤ・カヴァーも印象的。
ボーナストラックとして樋口康雄の舞台音楽が収録されてて、「三文オペラ」のちょっとやさぐれたフィメールAOR"My Love My Truth"と、「ブンナよ木からおりてこい」からのブラスロック・ミュージカル風コーラス曲"春、五月、青"と、なかなかにイイ曲揃いなんで、こちらも全曲聴いてみたい。Solid再発盤。