今日聴いたもの

Smokestack Lighting / Mike Harrison
72年。スプーキー・トゥースのVoの2nd。ブルースをベースに男の哀愁漂うアダルト・オリエンテッド・ロックを展開。1曲目の"Tears"なんて70年代のTVドラマや映画で流れてそうな感じ。ワウ・ギターが味わい深いロッカバラード"What a Price"、ジョー・テックスのカヴァーでクールなブルース・ロック"Wanna Be Free"、ニューオーリンズなピアノ入りのメロウなファンキー・ロック"Turning Over"など、どれも派手さはないんだけど、やけにしみる曲ばかり。ハウリン・ウルフのカヴァーで12分超えのブルース・ロック"Smokestack Lightning"のほのかにアシッドなダウナー加減にもグッとくる。Repertoire再発盤。
Nothing Wll Be As It Was ... Tomorrow / Flora Purim
76年。スペーシーで神秘的なプログレシッヴなジャズ・ロック〜クロスオーヴァー演奏にメロウなフィメール・ヴォーカル&スキャット。微妙にニューエイジ的な雰囲気がちょっととっつきにくいんだけど、爽快なギターのカッティングが気持ち良い快適メロウ・グルーヴ"Angels"やミルトン・ナシメントの名曲"Bridges"、ボーナストラックのオリエンタルAOR"Tango Blues"みたいなキャッチーな曲にはやはり惹かれる。うすうす感じてたけどタイトな演奏に乗って人懐っこいメロディーをスキャットする"Angels(Reprise)"とか矢野顕子みたい。
Paley Brothers / Paley Brothers
78年。ラモーンズやNYパンク人脈との関わりで語られることの多い美形兄弟の唯一のアルバム。でも音はガレージ/パンクというよりひたすら甘酸っぱい70年代パワーポップで、ビーチボーイズ・スタイルの"You're The Best"からラズベリーズ直系の"Too Good To Be True"と冒頭から甘いハイトーンヴォイスで切ないメロディーとハーモニーが炸裂。
トリッキーなギター・アレンジが面白い歌謡テイストのロックンロール"Magic Power"、スペクターな重音圧アレンジが凄まじい"Turn The Tide"、ドッシリしたリズムにヒステリックなギターが絡むキャンディー・ハードロック"Tell Me Tonight"と多彩なイイ曲が揃ってるけど、メランコリックな美メロとハーモニーが涙腺直撃なミディアム・バラード"Lovin' Eyes Can't Lie"から弾むビートのファンキー・パワーポップ"Come Out And Play"になだれ込む流れが個人的に白眉。最後の疾走R&Bビート"Down The Line"ではパンクな面影もちらり。