今日聴いたもの

Saturn Rings / Michele
ボールルームの女性メンバーの69年ソロ作。カート・ベッチャーの一連のプロジェクトに通じる独特な立体的な音響に包まれたフィメール・フォーク。コーラスワークがサジタリアスそのままな"Would You Like to Go"はさておき、グループのヴァージョンとはまた違った、ナチュラルなSSW的魅力に溢れた"Song to a Magic Frog"と"Spinning, Spinning, Spinning"がなんといっても素晴らしい。ジャズとブルースを忍ばせたドリーミーなフェアリー・フォーク"Know Yourself"、キュートなヴォーカルの室内楽フォーク"Musty Dusty"、抑制の効いたアレンジと切ないメロディ展開がたまらないミスティック・フォーク"Misty Mirage"といった楽曲に混じって、エスニックな"Fallen Angel"や8分越えの長尺サイケロック"Lament of the Astro Cowboy"など結構プログレッシヴな面も。
Paint A Lady / Susan Christie
66〜68年にかけて録音されたフィラデルフィアの女性シンガーの未発表音源の発掘再発盤。フォーク/サイケ・テイストのガール・ポップという趣で、どこか鎮静効果のあるキューティー・ヴォイスはなかなか魅力的。ラグドなダウンテンポ・フォーク・ロック"Paint A Lady"やウエスタン・バラッド風"Ghost Riders In The Sky"といった曲でのドラムのブレイクビーツ感が妙に現代的で、その辺がFinders Keepersからの再発につながったみたい。ただ個人的には、ストリングスとギターのアルペジオが涙腺を緩ませるグルーミーなフォーク歌謡"Rainy Day"、スウィンギン・ロンドンなビート・フォーキー"Echo In Your Mind"に"When Love Comes"、グルーミーでスウィートなウィスパリング・ソフトロック"No One Can Hear You Cry"(ベスト・トラック!)といったRPMガールポップ・コンピにでも収録されてそうなポップス寄りの曲にむしろ惹かれる。