今日聴いたもの

Watermelon, Chicken And Gritz / Nappy Roots
02年。いわゆるバウンス・ビートに乗って、ナスティな集団MCと哀愁に満ちたコーラスを聞かせるサウス・ヒップホップ。ダンスホールに通じるマシナリーな打ち込みビートとアコギやオルガンなどの生楽器のフレーズ・ループのブレンド具合がなかなか気持良くて、全体に泣きのメロディーとやたらとドラマティックなストリングス・アレンジが醸し出す下世話な味わいがイイ感じ。
特に気に入ってるのが、テクノ・ヒップホップとでも言いたくなるような斬新なアレンジがカッコイイ"Hustla"、ドタバタしたリズムにユーモラスなシンセなフレーズが乗る"Sholiz"、鳥の鳴き声入りの疾走トラック"One Forty"、アーシーでスペーシー、そしてユルい南部テイスト満載な"Kentucky Mud"、ファンキーなブルースロック風の"Ho Down"、"Headz Up"のバンジョー入りリミックス、めちゃくちゃラウドなハードロック・ヒップホップと化した"Awnaw(Rock Remix)"あたり。
Skalpel / Skalpel
04年。ポーランドの二人組ジャズ・ブレイクビーツ・ユニット。ヴィンテージなポーリッシュ・ジャズをヒネリの利いたセンスで繋ぎ合わせた、クールでかつユーモラスな音世界。多彩なアイデアが詰め込まれてるんだけど過剰な感じは無くて、むしろ一筆書きのような印象を受ける簡素なトラックメイキングはかなりハマる。
快適なラテン・ビート上でアブストラクトなフレーズ・サンプリングによるディープなアンサンブルが徐々に形成される"High"、不穏で笑える奇妙なブレイクビーツ"Not Too Bad"、ドタバタしたファンキー・ビートにメロウなピアノやサックスのフレーズ、ファニーなハミングが乗る"1958"と続く冒頭3曲は特に不思議で絶品。深く沈み込むようなダウナーなジャズ・ロック"Break In"、エクスペリメンタルな感触の疾走R&Bビート・チューン"Quiz"、ミステリアスなダビー・ジャズ・グルーヴ"Theme from "Behind the Curtain""など他の曲もみな一筋縄ではいかないんだけど、どれもカッコイイ。