今日聴いたもの

Citadel / Room 315 / Mike Westbrook Orchestra
英国ジャズ・ロック・オーケストラの75年作。グレン・ミラーデューク・エリントンみたいなオーソドックスな流麗ビッグバンド・ジャズから、フリー・ジャズに現代音楽、クロスオーヴァー、ロックまでが一体になった音楽で、一曲の中で雰囲気がコロコロ変わる掴みどころのない不思議な音楽。ニューオーリンズっぽいファンキー・ロックが徐々にフリー化して、サンバを経て激烈ビッグバンド・ジャズになる"Love And Understanding"とか、ダイナミックなビッグバンド・ジャズとアブストラクト・ジャズに完全なフリー・インプロなどが散々シャッフルされる"Bebop De Rigueur"など、どの曲も相当な紆余曲折ぶりで、それでいて混沌とした印象を与えない交通整理の手際の良さはセンスの良いDJみたい。ラストに置かれた、フリーキーさとメロウさが程よくブレンドされた"Outgoing Song"はコンパクトな名曲。
The Third Unheard - Connecticut Hip Hop 1979-1983 / V.A.
タイトル通り、80年前後のコネチカット産ヒップ・ホップを集めた、Stones Throwコンピ。ちょっと前に聞いたSoul Jazzの「Big Apple Rappin'」にも通じる、エレクトロでディスコな初期ヒップ・ホップ集という感じ。ゲーム音楽を使用したキュートでファニーなガーリー・ラップ"Get Up (And Go To School) / Pookey Blow"、派手なサンプリングで圧倒するアッパーな疾走エレクトロ"Potential 1980 / Mr. Magic"、アープ・シンセとカズーの絡みがユーモラスな"2001 Kazoo's / Mr. Magic and Positive Choice Band"、そしてカラッとした空気感が爽快なリゾート・ディスコに乗って軽妙にMr. MagicとPookey Blowが掛け合う"Earth Break / Mr. Magic & Pookey Blow"あたりは最高に楽しいパーティ・ラップ。モッサリしたシンセにシャープなギター・カッティングという当時ならではの組み合わせにクラクラくる"Be-Bop Convention Theme / Forum Band"、ノイジーなギターが格好良いラグド・ファンク・ラップ"Showdown Rehearsal (Live) / Starchild and 2nd Showdown Crew"など、ジャンルの型が固まる前ならではの乱暴なパワーも魅力的。